ここではFXについて学ぶ人がつまずきやすい「ロスカット」や「証拠金維持率」について解説していきます。
また、XMをはじめとする海外FXブローカー特有の「ゼロカット」に関してもお話しします。
ロスカットと証拠金維持率について|XM
証拠金維持率とは?
証拠金維持率とは簡単に言うと、「『トレードをするのに最低限必要な金額』に対して、どれだけ資金を持っているか」という比率のことです。
例えば、「最低限必要なお金=10万円」「持っている資金=20万円」であれば証拠金維持率は200%となります。
証拠金維持率に関しては後でもう少し詳しくお話しします。
XMのロスカット率(ロスカット水準)は20%
XMでは「証拠金維持率20%以下」になるとロスカットされます。
分かりやすく言うと、「証拠金維持率が20%以下になったら、XM側の権限で強制的に決済する」ということです。
ちなみに、この「ロスカットするときの証拠金維持率」のことを、ロスカット率、ロスカット水準などと呼びます。
このロスカットには「トレーダーが大損失を抱えることを防ぐ」という意味合いがあります。
XMでは証拠金維持率50%でマージンコールが発生する
証拠金維持率が50%以下になるとマージンコールが発生します。
XMの場合「マージンコール=MT4(MT5)の証拠金維持率や証拠金の表示が赤くなる」ということになります。
マージンコールには「そろそろロスカットされるのでなんとかしてください」という意味合いがあります。
ゼロカットとロスカットは別物です
ロスカット:証拠金維持率が下がったときに行われる強制的な決済
ゼロカット:口座残高がマイナスになったときに0に戻してくれるサービス
ロスカットとゼロカットは名前が似ていますが全くの別物です。内容が似ているわけでもありませんよね。
さてXMの場合、証拠金維持率が20%になるとロスカットの処理が始まります。
この処理は基本的に即完了しますが、相場が急変動したときには、処理が追いつかなくなり、20%よりも下がってからロスカットされることもあります。
すると口座残高がマイナスになってしまうケースがありますが、そのとき口座残高を0に戻してくれるのがゼロカットです。
XMでの証拠金維持率はどれくらいに保つべき?
1000~2000%以上:理想
500~1000%:安全なライン
250~500%:少し不安のあるライン
150~250%:危険なライン
100~150%:すぐになんとかするべきライン
50%:マージンコール
20%:ロスカットされる
XMでの証拠金維持率は最低でも500%以上を保ちましょう
証拠金維持率は最低でも500%以上キープしましょう。
なぜなら相場が急変動すれば、500%くらいであれば動いてしまうことが「めったにない」というレベルではないからです。
それを踏まえると1000~2000%以上を保つのが理想となります。
そこまでは難しいという方でも700%くらいは維持してはいかがでしょうか。
ちなみに「とりあえずトレードできればいい」と考えて、常に証拠金維持率100~250%くらいで取引をするのは非常に危険です。少しのきっかけでロスカットされてもおかしくありません。
XMと他ブローカーのロスカット率の比較
XMを含め海外FXブローカーには「ロスカット率20%/マージンコール50%」としているところが多いです。
また、国内FXブローカーの場合「ロスカット率50%/マージンコール100%」としているところが目立ちます。
ただ、そもそも証拠金維持率が100%を切るような立ち回りをしている時点で問題があります。ですから、「ロスカット率」は利用するFXブローカーを選ぶときの、重要な基準ではないと言えます。
ゼロカットを採用している海外FXブローカーがほとんど
XMをはじめとしてほとんどの海外FXブローカーがゼロカットを採用しています。
そのため万が一口座残高がマイナスになっても0に戻してくれます(追証なし)。
一方、国内FXブローカーでゼロカットを設けているところはありません。
ですから、口座残高がマイナスになっても救済はされません。
XMでロスカットされるまでの動き
証拠金維持率100%未満になると?
証拠金維持率が100%未満になると、追加でポジションを持つことができなくなります。
ポジションを持とうとすると「証拠金不足です」というメッセージが出ます。
ただし、「証拠金維持率100%以上のときにポジションを持つ→ポジションを持ったまま証拠金維持率が100%未満になる」ということがあっても、そのポジションは持ち続けることができます。
ただ、証拠金維持率が100%に近づいている時点で大ピンチです。損切りを検討しましょう(実際にはもっと早い段階で損切りをしているトレーダーが多いです)。
証拠金維持率50%:マージンコール
先ほどもお伝えした通りこのタイミングでマージンコールが出て、MT4・MT5の証拠金などが赤く表示されます。
ただ、「マージンコールの発動」により、直接的にさらなる取引制限がかかることはありません。
証拠金維持率20%:ロスカット
ここでロスカットされます(含み損が全て強制的に決済されます)。
口座残高の大半が消えることでしょう。
また、相場が急変動したときにはロスカット処理が追い付かず、口座残高がマイナスになる可能性もあります。
ですがその場合はゼロカットが発動しますから、口座残高は0に戻ります。
そのため「元の資金以上のマイナス」にはならないと言えますが、大きな損失を出してしまっていることに変わりはありません。
XMの証拠金維持率の計算方法
必要証拠金の計算方法
必要証拠金=(取引サイズ×通貨レート)÷レバレッジ
例えば
取引サイズ:10万通貨(1ロット)
通貨レート:100円(1ドル100円など)
レバレッジ:500倍
のときは、
必要証拠金=(10万×100)÷500=2万円
となります。
詳しく言うと、まず
「『100円の通貨を、10万通貨分買う』といくら?」
という計算をしていますね。
そして「本来は1000万円必要」と分かるのですが、「レバレッジ500倍」なので、「1000万円÷500=2万円」となり、「2万円の資金で済む」と算出できます。
必要証拠金の計算をしてみましょう
取引サイズ:100万通貨(10ロット)
通貨レート:100円(1ドル100円など)
レバレッジ:800倍
練習していただきたいのであえて計算式は書きませんが、このときの必要証拠金は12.5万円となります。
証拠金維持率の計算方法
証拠金維持率=(有効証拠金÷必要証拠金)×100(%)
有効証拠金=口座残高に「含み損・含み益」を加えた金額
証拠金維持率の計算をしてみましょう
口座残高:10万円
含み損:2万円
必要証拠金:1万円
まず
有効証拠金=口座残高-含み損=10万円-2万円=8万円
です。
そして、
証拠金維持率=(有効証拠金÷必要証拠金)×100(%)
=(8万円÷1万円)×100(%)
=800%
となります。
ただ、XMには必要証拠金や証拠金維持率を計算してくれる無料ツールがありますから、自力で算出する必要はありません。
ただし、必要証拠金や証拠金維持率の意味、計算方法などは理解しておくべきです。
XMのロスカット・証拠金維持率に関するQ&A
XMでロスカットが発生したら通知されますか?
通知はされません。
また、マージンコールが発動してもメールなどは送信されませんから、MT4・MT5の画面を見てチェックしてください。
XMで「ロスカット処理が追い付かない」というケースはどれくらいありますか?
XMの注文のうち99%以上は1秒以内で約定されていますし、約定拒否やリクオートもありません。そのため、ロスカット処理が追い付かないという事態は「ほとんどない」と表現できます。
ただ、まれにある「相場急変動時」には20%ではロスカットされない場合もあります。10~20%などもう少し下がってからロスカット処理が完了するかもしれませんし、0%以下(口座残高マイナス)になってからロスカットされる可能性もあります。
ただし、いずれにせよマイナス残高はゼロカットにより0に戻ります。
XMは証拠金維持率が100%未満でも両建てはできるそうですね?
はい。両建て(同じロングとショートを同時に持つ)であれば、証拠金維持率100%未満でもポジションを持つことができます。
ただし、XMで認められているのは「同一口座での両建て」だけです。
「複数口座間での両建て」はNGとなっており、実行すると口座凍結などのペナルティを科せられるかもしれません。
XMのロスカット・証拠金維持率まとめ
マージンコール:50%
ロスカット率:20%
というのがXMのルールです。
ただ、理想は「ロスカットのことなど考えなくていいくらいに証拠金維持率を高く保つこと」です。最低でも500%、できれば1000%以上に証拠金維持率をキープしましょう。